顕微鏡撮影について 〜その5〜
2013.04.22

以前タイムラプス撮影をすると顕微鏡を覗いているだけでは見えない現象が見えてくる!ということを書きましたが、インターバルの違いで何が見えてくるのか。実際に見てみましょう。

これは血管の流れをリアルタイムで見た映像です。

 

 

赤血球はすごい速さで流れているので見えません。が、血管壁に接着して転がっている白血球を観察できます。

次の映像は2秒に1フレームのタイムラプス撮影をした血流です。 45分間の現象を45秒に縮めて見ていることになります。

 

 

上記の映像で血管壁を転がっていた白血球ですが、この映像では止まっている白血球も見られます。くっついたまま小さくなってやがて消えてしまいます。いたるところで白血球が消えていく現象をみることができます。これらの白血球はどこに行ってしまったのか?

顕微鏡の倍率を下げて広い視野を見てみます。 この映像は10秒に1フレームのタイムラプス撮影で、およそ3時間40分間の現象を44秒に縮めた映像です。

 

 

実は血管内にいた白血球は血管壁を通り抜けて血管の外に出ていました。目的の場所まで泳いで?這って?行き、やがて集積していきます。これは体内の異物を白血球が感知し、その処理を行う免疫反応で白血球の遊走という現象です。

このようにタイムラプス撮影することで長時間の間に起こっているいろんな現象を短い時間でわかりやすく見ることができるんです。 こうした撮影にはまず観察して何が起こっているのか知ることが大事です。逆にタイムラプス撮影をすることで発見する現象もあります。 思いもよらない現象を捉えたりするとミクロの世界の奥深さを改めて実感します。顕微鏡撮影の醍醐味です。

 

by 青嵐