顕微鏡撮影について ~その3~
2013.01.18

 

誰でも一度は小中学生の頃に顕微鏡をいじって覗いた経験があると思います。 TLVで撮影に使っている顕微鏡は子供の頃に見たことのある顕微鏡よりはデカくていかつい形をしております。 主に二つのタイプがあって、ひとつは正立型顕微鏡。光を下からあてて試料をみます。 もうひとつは倒立型顕微鏡。光を上からあてるのでレンズは下についています。 見る試料によって使い分けますが、正立型顕微鏡はスライドガラスで作った試料など、倒立型顕微鏡はディッシュで培養した細胞などを見ます。

これらは光学顕微鏡と呼ばれ、可視光線を使って見る顕微鏡です。 光学顕微鏡の特徴はなんといっても生きたままの試料を観察できるということです! それではこの光学顕微鏡で見ることのできる限界はどれくらいの大きさなのでしょうか? 光学顕微鏡の分解能は、「ある接近した2つの点が、それ以上近づくと拡大した像の上で区別できなくなる限界の距離」と定義されています。顕微鏡を覗いた時にふたつある点がひとつの点としか認識できない場合、それがその顕微鏡の分解能の限界です。その距離は0.2マイクロメートルほどで、ミリメートルでいうと0.0002ミリメートルです。 数字から考えるとすごく小さいものまで見えるなぁと感じますね。 でも、細菌はみえるけどウイルスは見えないとか、細胞内のミトコンドリアは見えるけどリボソームは見えないなど、光学顕微鏡で見ることができないさらに小さいミクロの世界が存在しています。

 

 

 

可視化するという点では電子線を使った電子顕微鏡があります。その中のひとつ、透過型電子顕微鏡の分解能は0.1ナノメートルほどで、ウイルスも可視化できます。ミリメートルでいうと0.0000001ミリメートル。もはやミリメートルに換算しても実感がわきません。。。 光学顕微鏡よりも分解能が高い電子顕微鏡ですが、実は光学顕微鏡が確立する以前からすでにありました。しかし、生きたままの試料を見られる顕微鏡ではありません。 現在は、生きたままの試料を使って分子の動態まで見ることができる共焦点レーザー顕微鏡や二光子励起顕微鏡など、さまざまな顕微鏡が開発されています。

ほんと人はどこまで小さな物を可視化して未知の世界を解明していくのでしょうか。。。

 

by 青嵐